君が好き
第1章

心は





雪が降る。


鼻の先に触れた雪が
冷たくて、冷たくて。

手を暖めるために吐いた
息は真っ白。


この町には、もう冬が来ていたの。



「結衣ちゃん、寒いから中にお入りなさい」

「はぁい」



小さな町の小さな孤児院で、わたしは育った。

わたしは、結衣(ユイ) 16才。

ここは、あなたの世界とは違う世界。






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