龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~
「足りないか?」


「!?」


智成さんは私に唇を近づける。


私はソファーを立って、ドアの方に逃げた。


「…つれないな~」


智成さんも近づいて来る。


「……ひ、人呼びますよ!」


「……呼べばいいよ…姫宮さま」


彼は意地悪く私を挑発して、私の耳元に端正な顔を近づける。


「『龍の姫さま』と呼ばれているみたいだが…君は本当は『龍の花嫁さま』だ」


「!?」


そう意味不明な言葉を囁き…彼は部屋を出た。



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