龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~
「あの傷では…雪解けまで持つまい…看病しても同じだ…華」
「……」
父の言葉は私の胸に鋭い刃のごとく刺さった。
「…それよりも…華お前に大切な話がある…」
胡坐をかいていた父が正座に座り直す。母は幼い兄弟たちを連れて土間に姿を
消した。
「庄屋さまが…お前を『龍神様の花嫁』にへと…思し召しだ」
村の奥には龍神様が住んでおられると言う泉が在った。
私は幼い時…傷の負った龍神様を助けた記憶がある。