雨に恋した華 〜君とずっと〜
結局、その場ではパパが何を許したのかを教えて貰えなくて、帰りの車の中で虹ちゃんに何度も尋ねてみたけど…


「まだ秘密」


彼は意味深な笑みを浮かべてそう繰り返すだけだったから、いつまでも堂々巡りの会話が続いた。


仕方なく先に折れる事にしたあたしから、深いため息が漏れる。


すると、あたしにチラッと視線を遣った虹ちゃんが、何かを思い出したかのようにフッと笑った。


「……何?」


少しだけ唇を尖らせていたあたしは、拗ねた表情のまま小さく訊いた。


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