雨に恋した華 〜君とずっと〜
「いや、別に報告するような関係じゃないんで……」


じゃあ、どんな関係なの……?


困ったようにはぐらかす虹ちゃんを見ていると、胸の奥で燻(クスブ)り始めた虚しさが増す。


「ただのご近所さんです」


必死に平静を装って言ったあたしの瞳には、微かに涙が光っていたかもしれない。


だけど、気付かれないように笑顔を繕って、運ばれて来たウーロン茶を飲んだ。


その冷たさが、胸の奥まで染みる。


たかがお茶で胸が痛くなるなんて、バカみたいだと思った。


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