王子様の甘い誘惑【完】
「ごめん、気が利かなくて。えっと……キミは?」
綺麗な顔をした男の人は蓮からあたしに視線を移す。
茶色いサラサラの髪が印象的。
染めてるのに、全然痛んでなさそう。
「初めまして、愛沢理生です」
蓮にタメ口ってことは、この人も先輩なのかな……?
あたしはペコリと頭を下げながら答えた。
「理生ちゃん、か。俺は二年の市川優貴。よろしく」
へぇ……。ユキ先輩って言うんだ。
「……こちらこそよろしくお願いします。……ってユキ!?」
ユキって、なんだか女の子の名前みたい……。
でも、ユキって名前もこの先輩にはとてもよく似合う。
女装したら、女の子にも負けないくらい可愛くなりそうだし。
「今、女みたいな名前だって思った?」
「い……いえ……そんなことは……」
ヤバッ!どうしてあたしの考えてること分かったんだろ……。
心の中の声を言い当てられて、思わず苦笑いを浮かべる。