王子様の甘い誘惑【完】
「あんまりいじめちゃ可哀想だろ」


「うるせぇな。こいつは俺の家政婦なんだ」


「よかったね、可愛い家政婦ができて」


「は?お前、何が言いたいわけ?」


「別に。じゃ、俺は先にいくから。理生ちゃん、またね?」


ユキ先輩はクスっと笑ってあたしの頭を撫でると空き教室から出ていった。



「ユキ先輩……かぁ……」


あたしのご主人様が蓮じゃなくてユキ先輩だったらよかったのにな。


そうすれば、きっと今みたいに悩んでいないはず。


優しいご主人様になら、一生懸命仕えようかなって気にもなるのにな……。



「理生、お前は俺の家政婦なんだからな。それだけは覚えてろよ」


「……はいはい。分かりましたよ……!!」


「はい、は一回だろ。小学生からやり直せよ」


……もう!!どうしてそういう言い方しかできないわけ!?


あたしのご主人様は、顔は良いけど性格が最悪で。


あたしは蓮に気付かれないように、小さく溜息をついた。


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