王子様の甘い誘惑【完】
「理生ちゃん、また会ったね。食堂行くの?」
すれ違いざま、先輩はあたしの存在に気付いて声をかけてきた。
柔らかい笑みを浮かべる先輩は、やっぱり王子様みたい。
だけど、不思議。
蓮に負けず劣らずの美貌を兼ね備えているユキ先輩に笑いかけられても、ドキドキしない。
心臓も暴れたりしない。
蓮に笑いかけられると、息が止まりそうな位ドキドキするのに。
……やっぱりあたし、メンクイってわけじゃないのかな?
「実は、蓮に何か買ってくるようにって頼まれちゃって」
「そっか。でも、もう何もないよ?俺が最後だったし」
「……えぇ!?そんなぁ……」
この学校の売店はいつも大盛況で、パンやお弁当がすぐに売り切れちゃう。
って入学説明会の時に自慢げに説明されたけど……
まさか……――。