王子様の甘い誘惑【完】
「何でそんなに飲んだの?じゃねぇよ。お前のせいに決まってるだろ!!……このバカ!」
「……バカって何!?人が心配してあげてるのにそんな言い方しなくてもいいじゃない!!」
「あぁ、そうだ。バカじゃない。お前は大バカだ!!」
「……なっ……あたしのどこがバカなのよ!!そりゃ昨日、蓮が出ていってから心配になって時計ばっかり気にしてて自分でもバカだって思ったけど……でも……――!!」
って、あたし、何余計なこと口走ってるの!?
別に昨日の話なんてこんな時にしなくてもいいのに!
「……あたし、もう学校行くね!お弁当作ったから嫌じゃなかったら持っていって」
慌てて蓮に背中を向けて歩きだそうとした時。
「待て」
低い声が背中にぶつかった。