王子様の甘い誘惑【完】

「いや、それは違う。桜花高校に入学できたのは、理生の力だ」


「……本当に?」


あたしがそう聞くと蓮は「あぁ」と力強く答えた。



「理生が桜花高校に合格した時点で、お前の両親と俺の親父の間で話は進んでたんだよ」


見事桜花高校に合格したあたし。


だけど、入学金だって授業料だって、もちろん学校に通う交通費もバカにならない。


そこで蓮のお父さんがこう提案したらしい。


『蓮が一人暮らししているマンションに一緒に住めばいい』って。


入学金も授業料も、蓮のお父さんが無利子で貸してくれたらしい。


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