王子様の甘い誘惑【完】
何を不安に感じていたんだろう。


今、あたしの目の前には蓮がいる。


それが全てなんだ。


一つ屋根の下で一緒に生活して。


同じベッドで眠りに就く。


それだけで、心は満たされるんだ。



「蓮……好きだよ……」


ギュッと蓮の体にしがみついて大きな胸に顔を埋める。


温かい胸に頬をくっつけると、すごく安心する。


蓮の温もりを感じられるこの瞬間が好き。


このまま時が止まってくれればいいのに。


そうすれば、ずっとこうしていられる。


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