王子様の甘い誘惑【完】
「俺も好き」


蓮はあたしの頬に遠慮がちにキスを落とした。


いつもはあたしの気持ちなんてお構いなしにキスするのに。


あたしは蓮に体をピタッと密着させた。



「あんまりくっ付くと、俺の理性が持たないから」


蓮はそう言いながらあたしの頭を優しく撫で続ける。



あたしはそのまま目を瞑り、蓮の胸の音に耳を澄ませた。


トクントクンっと一定に刻む心臓の音。



その心地の良い音を体中に感じながら、あたしはゆっくりと目を閉じた。


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