王子様の甘い誘惑【完】
文化祭当日。


あたしはいつもより早起きして身支度を整えた。


「一緒に回りたかったなぁ……」


そして、ベッドの中で気持ちよさそうに眠る蓮の髪を優しく撫でた。





「文化祭?めんどくさいからパス」


昨日から、あたしが何度誘っても、蓮は首を縦に振ろうとはしなかった。


人が多くてダルいとか適当に理由をつけて蓮は頑なに拒否する。


「どうしてそんなに嫌がるの?あたしは蓮と一緒に校内回りたいのに!!」


彼氏と一緒に校内を回るのが、あたしの前々からのひそかな夢だった。


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