王子様の甘い誘惑【完】
「……やりすぎた。わりぃ」
ポンッとあたしの頭を叩いて部屋から出ていく蓮。
ちゃんと謝りたいのに、喉の奥に何かがはりついているみたい。
蓮と愛子さんが会ったのにも何か理由があったはず。
その理由を聞こうともせずに、一方的に蓮を責めて。
勝手に疑心暗鬼になって蓮を傷付けて。
「あたし、ほんっと最低だ……――」
蓮、ごめんね。本当に、ごめんね。
あたしは蓮のベッドの上でボロボロと涙を流し続けた。