王子様の甘い誘惑【完】
「いいって。気にしないで?ってかさ、あたしさっき物凄いイケメン見つけちゃったの~!!」
「イケメン?」
「そう。遠目でも分かるくらいのイケメン!旧校舎に入っていったし、VIPルームの人かも~!!」
「遠目でも分かるくらいのイケメン……かぁ」
興奮しながら話すサヤにあたしは思わず苦笑いを浮かべた。
「ねぇ、そのイケメンって……どんな感じの人なの?」
「どんな感じって言われてもなぁ……。だけど、とにかく口では例えられないくらいカッコよかったよ!あんなにカッコいい人見たの初めてかも!!」
んっ……?そういえば……。
蓮を昨日初めて見た時、あたしもそんな風に思ったっけ。
ってことは、サヤの言っているイケメンは蓮のこと……?
まさか……ねぇ?違うよね?
あたしは思わず表情を曇らせた。