Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「ひっく…
ご、ゴメンなさい…」
「いつまで泣いてんだよ~
俺は大丈夫だって!
な?」
「ぐす…」
いつまでたっても
泣いてる美歌。
俺のために泣いてくれるのは、正直嬉しいけど…
でもやっぱ、
美歌には笑ってて欲しい。
美歌には、
泣顔よりも、笑顔の方が似合ってる。
「痛かった…よね…」
心配そうに
俺の顔をそっと覗く美歌。
「大丈夫だっつの〜
男の体ナメんなよ?!」
…とか言って笑ってるものの…
正直言って
俺の頭と背中は、悲鳴をあげている。
「お礼になんかおごるよ…」
おごりはいいから
抱きしめさせて下さい。
…なんて、言えたらな~
「おごりはいいからさ…
その…」
「な、何?」
「その…頭、撫でてくんない?」
流石に 抱きしめさせて とは言えなくて…
でも、俺…なにいってんだ!?
頭撫でて って、小学生でもいわねぇよ!
「ゃ、やっぱいいから…っ////」
そっ…
頭には、暖かい感触。
やっぱいいっつったのに、美歌は俺の頭を撫でる…
「可愛い~奏楽♪」
可愛いって言われても嬉しくねぇんだけど…。
つーか、
可愛いのはお前だっつーの!
「可愛い…言うなよな…」
でも、
美歌の手…安心する。
安心しきった俺は、
いつの間にか、眠っていた。