Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「あのね、私、
スカウト…?
みたいなのされたの」


「スカウト?
あぁ…スカ…スカウトッ!?」


奏楽は立ち上がって叫んだ。


そりゃぁ、びっくりもするよね。

私もびっくりしたもん。


「ス、スカート?」


「スカートされたってどういう意味よ」


「酢買うと?」


「買ってない、買ってない」


無理矢理のボケを言う奏楽。

それほどびっくりしたんだろうな。


「スカウトだよ!
歌手デビューしてみないか…って、
聞かれたの」


「マジかよ!
やっぱスゲーなっ
美歌はっ!」


スゴく喜んでくれてる…

目をキラキラさせて、
ジャンプしてる。


「自分のことのように喜んでくれるの…?」


「自分のことのように…って、
自分のことだもん。
美歌の夢は、俺の夢だし、
バンド部全員の夢でもある!」


…そっかぁ。
うん、そうだよね。


やっぱり私、
バンド部に入って良かったって、
心から思えるよ。



本当に、良かった…



「んで、誰にスカウトされたんだ?」


「あ、うん。
小松…響さんって人」


見るからに怪しいけど、
あの人は凄い人だってことはわかる。

プロデューサーってことも、

本当だ。


「え!
小松響さんって、
プロデューサーの!?」


「そうだけど…
あれ?
なんで知ってるの?」


プロデューサーってこと、
話して無いのに。


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