きっと好き



「母さんが死んで、とても悲しかった。辛かった。心の中がスカスカになった気がした。
それでも頑張れたのは彼女のおかげなんだ!!」


「“彼女のおかげ”?調子の良いことばっかり言わないでよ!」




我慢出来なくて、私も勢いよく立ち上がった。



「“支えてくれた”とか言ってるけど、本当にお父さんを支えたのはお母さんでしょ?お兄ちゃんでしょ?」


「…分かってる」
「分かってない!!!!」




声がひっくり返るくらい大きな声で叫んだ。

もう父の話なんか聞きたく無かった。





「…私だって、家事したり、お金の遣り繰りしたりした。それはお父さんには“支え”じゃ無いワケ…?」



父の目が泳いだ。


「…今はそういう話じゃ無いだろ。」


「そういう話よ!!!
その人が何してくれたって言うの!?
ただ隣に座ってニコニコしてたら“支え”なの!!?」








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