きっと好き
「いい加減にしなさい、ひかる!」
「いい加減にするのはお父さんの方でしょ!?」
どす黒い感情は、いつの間にか私の体を支配していた。
「ろくに病院にも来なかったくせに…。
お母さんは、いっつも1人で……お父さんの事を待ってたのに。」
「…ひかる」
「なのに、どうして!?
お母さん1人幸せに出来なかった人が、幸せを得ようとするのよ!!!!」
叫びすぎて、もはや自分の声では無いみたいだった。
「私はイヤだ!!この人とは一緒に住めない!」
「ひかる!!!言うこと聞かないか!!」
「お父さんが出て行けばいいでしょ!?」
「いい加減にしなさい!!!」
父がそう叫んだと同時に、私の左耳の近くで何かが破裂したような音がした。
左の頬がジワジワと熱くなる。
ヒリヒリと痛くなってくる。
……タタカレタ。
気づいた時にはもう、涙を我慢しきれていなかった。
「…………もぅ…いい。」
父は肩で息をして、"マキハラさん"は体が硬直している。
「…勝手にすればいいじゃん!!」