きっと好き
「んー…?元気だけど…元気じゃないの?岳。」
神谷のお父さんは困った声で聞いてきた。
そりゃそうだ。
急に変な質問をしてしまった。
「…えっと、いや、なんだか上の空…というか…。」
“ごめんなさい”と言って電話を切ろうとしたとき
「岳がもし、ひかるちゃんの前で“いつもの岳”で居れていないなら、いくつか思い当たる節はあるよ?」
神谷のお父さんが話してくれた。
「本当ですかっ。何でなんですか?」
「…んー。それは岳に直接聞いた方がいいと思うんだけど…。」
明らかに神谷のお父さんの声が暗くなった。
「でも、オジサン、ひかるちゃんの事スキだから、スペシャルヒントね!」
「……はい?」
「岳に元気がないのはきっと、ひかるちゃんの事が本当に好きだから…だね。」
……?
どういうこと…?