君のことを想いながら
「…はい。」


ヨクは丁寧に挨拶をした。


「今の言葉、忘れるな。
下がっていい。」


「はい…。」


ヨクが
ドアをあけようとしたとき
またマオが話しだした。


「ヨク。生を受けた瞬間から、決まっていたのだ。
掟は守らねばならぬ。」


「……はい…。」


ヨクは部屋を出た。


重いドアが軋みながら、
ゆっくりと閉まった。


「ごめんね…レイ。こんな…」


一言、涙を流してレイにあやまった。




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