君のことを想いながら
俺は頭の中で状況を整理した。

「ヨク!!何してんだ!!」


俺は怒鳴った。


ヨクはビクッと震えて
サキから手を離した。


「…っはぁはぁ…っ」


サキは意識が朦朧としている。

ヨクはゆっくりと俺の方を向いて静かに口を開いた。


「レイ…」


「おまえ!!何してんだよ!!」


俺はヨクの方へ勢いよく歩き出した。


ヨクはまた一瞬肩を上げた。


そのとき足首を掴まれた。


ガシッ―


「…あ??」


俺は下に目を向ける。


「…レイさん…やめて…
下さい…。ヨクさんを…責めないで下さい…。」


俺の知らない男が、
胸を押さえて倒れていた。


「…っおい!離せ!誰だ!?
てめぇは!!」


「…ト…ウヤ…」


グイッ―


俺はトウヤの胸ぐらを掴み
荒々しく無理矢理立たせる。


「トウヤ。
おまえは、ヨクのこんな行為を黙って見てただけなのかよ!?」


「…ちが…」


「ちがうって言うのかよ!!
ヨクのしてることは何なんだよ!!あ!?」


グラグラとトウヤを激しく揺すった。

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