化学室のノート【短編】
でもすぐにチャイムが鳴って
友達が来てしまい、
結局その文章を直さないまま
私は化学室を後にした。
***
次の日は化学がなかった。
まるで一日の唯一の楽しみを
奪われたかのようだ。
でも昨日の長文に
相手が引いてたらやだなぁ。
……見たいな。
あのひとはどんなことを
今日は書いてくれたんだろう?
ノートを開きたい衝動が抑えられなかった。
だから放課後、
誰もいない化学室に私は足を運んだ。