この夏が終わる頃
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「んん…。あと、少しで!」

グッと腕を伸ばして、木の枝に引っ掛かった風船をとった。
「取れたよー!」

下で心配そうに見守っている子供達に、手に持った風船を見せた。

「わーい!やった、お姉ちゃんありがとう!」
「ありがとう!」

ニコッと、微笑み返す。
(あとは…、降りるだけ。)

木から降りようと、後退したときだった。

『危ねえだろぉーっ!!』
明らかに子供の声じゃない声が、響いた。
「えっ!?」

振り返った瞬間。気が緩んだのか、バランスを崩してしまった。
「しまった!落ちる…!」

体が、木からずり落ちさかさまに落ちていく。
風景がどんどん、変わる。

目を閉じた。



《どうせ一ヶ月後死ぬかどうかだったのが

  今日終わるだけだしね。》

ドサッ。


あぁ、柔らかい。

天国到着?
早すぎない?
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