舞風─君をさがして─
「ま、これで一件落着ってとこだな」

次の日の昼休み。
私と平助君と沖田さんは教室で話していた。

「これで暫く大人しくなるといいんだけど」

「総司の言う通りだな。近藤さんって、普段はにこにこしてていい人って感じだけど、怒らせると迫力あるからなぁ」

「確かに……それより、よかった。間に合って」

沖田さんはにっこりと微笑んだ。

「?」

「土方さん、千鶴ちゃんのこと狙ってそうだったからさ。いいとこ全部持っていかれなくてよかったな──って思ったわけ」

「そ、そんなことないですよっ!!土方さんは、ただ私を生徒の一人として大切にしてくれてるだけですって」

顔が真っ赤になって熱くなっているのが自分でも分かっていた。

「そうかなぁ……でもなんかいつもの土方さんと違う気するんだよなぁ」

「き、気のせいだよっ!平助君!!」

一生懸命、反論すればするほど顔のほてりがさらに熱くなる。

「僕もさ、千鶴ちゃんのこと好きだから」

「沖田さん」

「あ──、ずるい!俺だって千鶴のこと好きだぞ」

「平助君……」

心臓のドキドキが止まらない。

え――っと、つまり二人とも私のことが『恋愛感情』で好きってわけじゃなくて、
『友達』としての解釈でいいんだよね?


「やっぱり、千鶴ちゃんってかわいいよね」

「うん。いじりがいがある」


──い、いじりがい?


「もう〜っ!!!!二人とも!からかうのもいい加減にして下さいっ///」

なんだ……冗談か、びっくりした。



「「でも好きなのは本当だよ」」



平助君も沖田さんも、もちろん新撰組の人たちも……

みんな大事な





私の『仲間』





END
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