舞風─君をさがして─
「どーせ左之さん見てないんだし、さぼって走ったことにしちゃおうぜ」

私たちは渋々ジャージに着替え、靴箱のところで待ちわせをした。
今まさにグランドへ向かおうとしているところである。

「それができれば苦労はしないんだけどね」

沖田さんの目線の先にはしっかりと原田先生の姿があった。

「あの人、一時間目授業ないのか……」

どうやら職員室の窓からグランドを観察することにしたらしい。

「悪いことはできない……ってね。とっとと終わらせて戻るしかなさそうだ」

「そうですね」

私は十周走るのは大変だけど嫌じゃなかった。
なんでだろよくわからないけど……



たぶん、平助君と沖田さんと一緒だからかな。
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