ダークエンジェル

「健史がしょっちゅう話しているんじゃあないか。

自分の弟より可愛がっている、と言っていたよ。

高倉さんが入院中も、
リュウのことばかり心配していたらしい。

あ、それで、あの事故のことも… 

アレは、美由紀がソージャを裏切ったから、
ソージャが刺客を送ったんだ。

その少し前、ドートンが急死した。

警察発表では心臓発作のような死となっているが… 

ああ、ソージャが会長職に着いた。

そうなれば彼の関心事はあのマール島。

日本へ行った美由紀が
高倉さんたちをいつかは殺すだろう、と思っていたのに、
手を引く、とか言ってきたらしい。

私の忠実な部下が、
その時、美由紀から電話を受けたソージャが、
癇癪を起こしてデスクのランプを床に叩きつけたところを見ていた。

多分、その後、美由紀殺害を、
あのように車ごと惨事を起こせば皆被害を受ける。

実行犯は美由紀のほかは誰が乗っているかなど考えなかっただろうが、

現実には家族4人が被害を受け、
高倉さん以外は死んでしまった。

女の子たちはかわいそうだったね。
高倉さんに一生懸命だった。」



カイルは日本に来てそんな事を見ていたのか。

自分が気に入っていなかった偽妹たちを
好意的に話すカイルに、

リュウはジェラシーにも似た気持ちを感じている。



「カイルは人の心もよく理解できるんだなあ。」



リュウとは異なる反応をしたカイルに、
信秀は優しい眼差しを送っている。



「はい。多分、私も、
いつも自分の保護者を求めていたからでしょう。

あの時の心はいくら成長しても消えませんでしたから。」


「そうか… 
だけど、今はこうして会いにきている。

気の済むまでここにいる事だって出来るよ。

私は本当に… 
君の消息が分らなかった。

インターネットでキングワード財団を開いても… 
カイルの名前はなかった。」



「ええ、ガクトは島の実体を守るために、
相続した私の名は載せなかった。

ドートンになってもソージャも、
私の存在を抹消したいぐらいだったのでしょう。

私を殺そうとしていたソージャならなおさらです。」
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