ダークエンジェル
「どうやら彼女は
高倉さんを本当に愛してしまったようです。
多分2年ほどしてからでしょう。
その頃からソージャの私を見る目が変わってきました。
ええ、あからさまに苛立ちを見せていました。
が、その頃ソージャは、
まず、ドートンを殺して
自分が会長の座に着こうと目論んでいました。
元々皆母親が違いますから
兄弟の情愛などありません。
ただハワードの家に生まれた、ということだけのつながり。
現に、ガクトの亡き後、
皆それぞれ相分の遺産を相続しました。
しかし、ソージャは
自分より4歳上と言うだけで
会長の座におさまったドートンが許せなかったのです。
確かにドートンは凡庸な男で、
ビジネスの才は全くなかった。
裏を返せば下の者は扱いやすいボスだったでしょう。
反対に、ソージャはガクトのようになりたかったのです。」
と、カイルは美由紀の心変わりを話し、
ハワード家の内情も…
「カイルはその時、どうしていたの。」
リュウはとにかくカイルの事が知りたかった。
「私は…
自由に何でもできる気分を満喫していた。
ああ、初めて日本へも行った。
リュウが高校生になってテニスに輝いている姿を見ていた。
高倉さんが2人の女の子たちとお父さんごっこをしていたのに
リュウがすねているようで…
面白かった。
大体の話は健史から聞いた。
と、言うより、あのすし屋で、
彼の父や兄から聞いた。
皆が健史のように、
リュウのことを可愛く思っていることがわかって、
うれしかったよ。」
と、カイルはリュウが分るところの話をした。
「そうかなあ。
僕、話したこと、ないよ。」
水嶋が自分の事を家の人にまで話していたなんて…
それを、その人たちがカイルに話していたなんて…
リュウは不可解な気持ちになっていた。