聖なる華
「幼馴染ですか、それなら親しいのは分かります。ですが、なぜあんなところで密会などしていたんです?」
でた!ブラックアンレス!!
黒い・・・はてしなく黒いぞ。
「両親からの手紙を、いただいただけです。会場で堂々ともらえば、それこそラブレターか何かと勘違いされますもの」
「そうですか。わかりました」
そう言って振り返ったアンレスはにこやかに笑っていた。
さっきまでの不機嫌はどこへやら。
「お手をどうぞ」
そう甘く囁いて恭しく右手を差し出すアンレス。
「はい」
迷わず手を差し出すと、アンレスは私をエスコートしながら会場の中へと歩みだした。