【短】甘く愛して欲しいのに!
「でも悠希は手も繋いでくれない!嫌々付き合ってるんでしょ?あたしは悠希に必要ないんでしょ!?」


「は!?」


「あたしは悠希に嫌われないように、サッカーの邪魔だけはしないようにしてたのに…結局あたしだけが好きなんじゃん!」


心の中にあった想いを口に出すと、勝手に涙が溢れてくる。


「不安なんだもん!悠希は何でもできるのに、あたしなんかと付き合ってる理由が分からない」


拭っても拭っても、消えることのない涙のせいで袖はもうビショビショ。

こんなこと言うつもりなかったのに、最後の最後まであたしって最低な彼女だね。


今度こそ絶対に嫌われた、そう思った…そのとき。




ギュッ


悠希に抱きしめられて、一瞬息が止まった。


「……んなの…俺だって同じ」


耳元で聞こえる声が、震えてるように思うのは気のせい…?


「俺だってずっと不安だった」


不安?悠希が?
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