First Love 〜俺に惚れろ〜
怪我
【悠side】
――…
危なっかしい。
入場門からの入場中にこけているのが目立った。
走る前からあんなんで、リレー中に怪我したらどーすんだよ。
「…んだよお前らぁッ!!なぁに瑞穂見てんだよ?
あんなヤツ見てっと目ぇ腐るぞ目ぇ!!!!」
隣から不機嫌な声が聞こえた。
「…お前マジでわかりやすい」
鈴原瑞穂。
かなりの美少女だ。
「はぁ!?好き!!?っんなわけねぇだろバーカ!!!!」
本人はそう言っているが、鈴原をからかっている時のりょうは楽しそうで、どこか優しげな表情が見え隠れしている。
「…お前も素直じゃねぇじゃん」
人にあれだけ言っといて、自分はどーなんだよ。
「違うっつってんだろ!!俺のタイプと全然違ぇし!!!!あんな可愛気のないヤツっ」
「……」
そんなこと言いながらも、さっきから視線は鈴原に向けられている。
「ハハッ!!俺のが早ぇし。お〜、ナナちゃんにバトン渡したぞ」
「……マジで怪我しそーな予感」
「えー、ダイジョブじゃね?ほら、バトン渡そーとし…ぁ、こけた」