First Love 〜俺に惚れろ〜


「…おい」

「ッえ!?…ゅ、悠…」

「なに唸ってんだアホ」

だだって

さっきの先輩、何で部室にいたのカナ、とか

そんなに有名な人なのカナ、とか

色々考えてたわけでして…結局わかったのは名前と学年だけで……。

…聞いてみよーかな?
悠なら知ってるかも…。

そう思って顔をあげたら、意外にも至近距離に悠の顔があって

「……っ!!?」

思わず一歩下がる。

「…?
どした?」

「ぇ、あ、ぇと…」

「…顔赤ぇ、熱あんじゃね?」


そう言った悠の手が伸びてきて、おでこに触れた。

「な…、なな何でもない、だいじょぶ…っ!!」

慌てて離れると、悠は眉間にしわを寄せて不機嫌そうな顔をした。


そして


「……お前、何でよりによってこんな男だらけの部に来んだよ…」


静かに聞こえてきた悠の言葉。


「……へ?」

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