スキトキメイテキス【BL】
 
「……読めたか」

「バカにしないで下さい。これくらい分かりますよ」


 僕が反論すると、何だか少し固い表情を浮かべてゆっくりと僕に視線を合わせてきた。


「読めたなら、理解っただろ」

「……は?」

「──ったく、鈍いヤツだな。好きだって言ってんだよ。お前のことが」

「またまた、そんな冗談……っ」


 言い掛けて、止めた。

 俺様水野の顔が、笑ってない。

 真っ直ぐに僕を見つめてくる。

 ケーキを作っているときと同じ、真剣な瞳で。


「こんな日に冗談なんか言うわけねぇだろ」

「いや、でも……」


 俺様水野が僕を好きだなんて。

 そんなの、信じられる訳がない。


 あの、俺様水野が……。
 
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