スキトキメイテキス【BL】
「お前は鈍いからな。今までやったケーキ、食ってねぇんだろ?」
「…………」
確かに、僕はほとんどと言って良いほど食べていない。
食べていない、というか、家族に食べられてしまっているというか。
でも、それが何だっていうんだ。
今までのケーキに告白の文句でも書いてあったとでも言うんだろうか。
それだったら、妹か母親が気付いている筈だ。
2人はいつも美味しかった、とは言っても他の事なんて……。
「お前にやったのは、余りモンなんかじゃねぇんだよ」
気付くと思ったんだけどな、って、俺様水野は舌打ちする。
「余りものじゃなかったら……」
言いかけて、気付いた。
多分、俺様水野は、僕へのケーキは今日みたいにわざわざ用意していたんだ。
忙しい中、僕の為だけに……。