同棲彼氏
「出来ました・・・」



試着室から出てきた私は若干顔を赤らめた。


だって、こんな服初めて・・・。



見るからに高そうだだし、それに・・・



「露出度高くないですか?」



私の発言に、真湖斗は無視。



「じゃあお前、買え」
「はい!?」
「服汚したついでに買え。って…冗談だよ」



真湖斗はそう言って会計を済ませると、私の手を引いてどこかに連れて行く。



「ちょっ!何処(ドコ)いくの? あたし帰りたいんだけど…。てか服まで買ってもらってさ…」
「ホテルだ。ドレスコードみたいなのがあっから服買っただけだ」



ホテルぅ!?



意味わからない。どういうこと?



若干引いている私を真湖斗は完璧に無視してとうとうホテルについた。




見たところ、高級そうなホテル。本当、何しちゃうの!?



真湖斗が受け付け嬢のお姉さんに
「予約していた藤堂です」
と言って笑顔を向けた。その仕草がやたら鼻につく。



「はい、では315室です」



お姉さんは真湖斗にカードキーを渡した。




「何するつもり?」



私は真湖斗に怪訝そうに聞く。



「なんもしねぇよ!」
真湖斗は聞いて大笑いした。



一体全体…



「もう暗いし、一人で帰すと危ねーから、とりあえずホテルまで連れてきて、明日帰そうと思ったんだよ!」



え、何それ。



優しいフリした狼さん?



だって夜遅くなったのって、明らかに真湖斗があたしを服選びに付き合わせたからじゃん。
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