汚レ唄


だけど、もしかしたら、放課後も制服を直させるために放課後にも行うことになったのかもしれない。


……この学校なら有り得る。

校則に厳しいこの学校なら。





「……陽菜。
生活指導じゃないみたいよ」


那智の言葉はなんだか怒りを押し殺したような物言いで、よーく目を凝らして人だかりを見ると

……そこには、生活指導なんかじゃなく、隣の男子校の制服に身を包んだ男の子がいた。







「……よっ♪
那智ぃ~、昨日ぶり!!」

「……あんた、何してんの。こんな目立つところで」



静かに呟く那智だけど、私にはわかるよ。


今、かなり怒ってるよね??





「あっ!!那智さん、大輔は僕の付き添いなんだ」


そして、大輔君の隣には、いまいち行動が掴めない祐君がいた。



「だってよ?祐がさ、“今から陽菜ちゃんのところへ行くんだ”って言うからさ。
だったら、俺も行ってハニーに会いたいじゃん」


大輔君は拗ねたように唇を突き出す仕草をするとヘヘヘと照れた笑い方をした。


「まぁ、別にいいんだけどさ。待つなら、こんな所で待つのはやめてよ。
……目立つから」




那智の言葉で周りを見渡してみる。


< 125 / 665 >

この作品をシェア

pagetop