汚レ唄
「そんなに料理できないから。
俺は、サラダを適当に盛って、ご飯を炊いて、味噌汁作っただけ。このハンバーグは母さんが作ってくれたんだ」
充分私より料理できるじゃん。
「……って、お母さんは?」
食卓を見回す限り、テーブルの上には、祐君、お父さん、私の3人分のご飯が並べられているし、お母さんの姿はここに来たときから見ていない。
「ぁあ、お母ふぁんふぁ、とむぉはひほりょほうに……」
祐君に尋ねたけれど、答えてくれたのは、目の前に座って子供のように、夢中にご飯を頬張るお父さん。
だけど、ご飯食べながら話すから聞き取れないしポロポロとご飯粒を落としていく。
正直、なに言ってるかわかりません。
と、言いたい私の変わりに祐君がお父さんに突っ込む。
「わかんねぇし、こぼしてるし」
冷たい話し方のはずなのに、祐君の顔は何だか嬉しそうだった。
親に褒められた子供のようにすごく嬉しそうな表情をしていた。