汚レ唄


「どういう意味だよ」


「麻緋ちゃんが載ってるからじゃないの〜??っていう意味」


「関係ないって」


「はいはい、そうですか〜」


「信じてないだろ?」


「暇なら、他の雑誌を見ればいいじゃない。ほら、そこに奥様向けの週刊誌あるよ?」


「週刊誌は今の気分じゃないの」


「ほ〜う。それで、この雑誌を見たいばっかりに、お客様のリクエスト以上に髪を切ったと??」


「っ!?!?」


「プッ」


「おい、お前と遊んでる場合じゃないんだって。休憩減ってくから早く貸せって」

「ラーメン」


「は?」


「今晩、ラーメンおごって♪」


「なんでだよ?!」


「別にいいのよ?このままお客様の手元に持っていくことだってできるんだから」


「へ?」


「おごってくれるなら、この雑誌渡してあげる」


「お前なぁ〜……彼女でもない奴におごってやらねーって」


「いいじゃん、別に。同僚としておごってよ、お兄ちゃん」


「お前の兄ちゃんじゃねーって」


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