汚レ唄
「っていうか、この雑誌欲しかったら俺らに言えば何冊でもやるのに……」
静さんが雑誌をペラペラとめくり、自分のページを眺めている。
「そういえば、そうだな!!俺らに言えば事務所に何冊かあるから1冊くらいやれるぞ?」
拓斗さんが静さんの肩越しに雑誌を眺め、後ろから拓斗さんの載っているページへとめくろうとしている。
そしてそれを止めようとする静さん。
「いや〜、でも売り上げに貢献しないと……」
「バーカ!!お前に心配されなくてもSAMURaiは絶好調なんだよ!!」
そしてまた首を拓斗さんに絞められる。
「でも、この取材受けて改めて思ったんだけどさ。
僕たちの名前って結構適当じゃない?」
「あ〜……。それ、俺も思った。なにが“侍時代の有名人から取りました”だよなぁ」
雑誌をペラペラめくる静さんを見て則彦さんが言葉を挟む。
そして拓斗さんが首を絞めたまま今度はそちら側へと意識を向ける。