汚レ唄



「はいはい。
わかりましたよーだ!恋愛禁止でしょ?僕だってバンド内の揉め事は嫌だからさ」


「わかればいーんだよ!バンド内敬語禁止!呼び捨てすること!恋愛禁止!これを3原則にしようぜ」



バンドの約束ごともだんだん決まっていく。

なんか楽しいなぁ。

1から作り上げていくのも楽しい。


窓の外はもう暗くなっていて、まぁるいお月さまが顔を出していた。

結局あんまり練習はできなかったけど、少しずつだけど前に進んでる気がする。




私と拓斗と則彦と静。

なんの接点もなかった4人が今日からメンバーだ。


なんだか不思議な。

だけど、これは必然なような気がする。



神様が用意したレールの上を、自分たちが進んで歩いてるようなそんな錯覚すら覚える。



でも、それでいい。

だって自分で歩いてるなら、それは自分で決めたことで。

歩けてるなら、それは間違ってなかったんだと思うから。



< 591 / 665 >

この作品をシェア

pagetop