汚レ唄
「はいはい。
わかりましたよーだ!恋愛禁止でしょ?僕だってバンド内の揉め事は嫌だからさ」
「わかればいーんだよ!バンド内敬語禁止!呼び捨てすること!恋愛禁止!これを3原則にしようぜ」
バンドの約束ごともだんだん決まっていく。
なんか楽しいなぁ。
1から作り上げていくのも楽しい。
窓の外はもう暗くなっていて、まぁるいお月さまが顔を出していた。
結局あんまり練習はできなかったけど、少しずつだけど前に進んでる気がする。
私と拓斗と則彦と静。
なんの接点もなかった4人が今日からメンバーだ。
なんだか不思議な。
だけど、これは必然なような気がする。
神様が用意したレールの上を、自分たちが進んで歩いてるようなそんな錯覚すら覚える。
でも、それでいい。
だって自分で歩いてるなら、それは自分で決めたことで。
歩けてるなら、それは間違ってなかったんだと思うから。