ヒミツの恋の方程式
あたしの前に立つ黒あくまの威圧感に気圧されたのか、はたまた気を利かせたつもりなのか。


前の席の優香ちゃんが黒あくまに席なんか譲ったものだから、黒悪魔のいじめがエスカレートしていく。


「じゃあ、雫。
これは何だ?」


うすうす気づいているはずなのに、


「彼氏としては、見過ごせないな」


喜々として歪む口元を隠して、黒あくまは、いかにも心配しているフリをする。

< 80 / 209 >

この作品をシェア

pagetop