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「さて、それでは」

全員に軍刀が行き渡った所で、時雨の顔つきが変わった。

「早速本日から貴様ら新兵には訓練を行ってもらう。言っておくが半端なものではないぞ。覚悟してかかれ」

彼女は厳しい表情で踵を返す。

「今から5分後の1200時(ヒトフタニーマルジ)に、迷彩服に着替えて訓練場に集合!総員かかれ!」

時雨の声が飛ぶ中、新兵達は慌てて会議室から走り出した!

走りながら。

「ね、ねぇ…!」

奈々が隣に立っていた晴に声をかける。

「とんでもないとこ来ちゃったねぇ…」

「ああ」

言葉少なではあるものの、晴も奈々と気持ちは同じだった。

好き好んでこんな場所に来た訳じゃない。

なのに何だ、この酷い言われようは…。

そんな二人に。

「香月、咲月っ!私語とは余裕だな!」

早速時雨の怒号が飛んだ。

「貴様らはその余裕さえもなくなるまでしごいてやる!覚悟しろ!」

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