alternative
「わかってる…腕立てと腹筋、毎日やるから」

こいつら、何て優しいんだろう。

目頭が熱くなるのを何とか誤魔化そうと、晴は満面の笑みを作って見せた。

「晴君の軍刀、私が磨いといてあげるからねっ」

「早く出て来いよ」

「さっさと戻って来ないと訓練で差ぁつけちゃうぞっ」

冗談を言い合いながら笑い合う仲間達。

目の前の鉄格子が、急に薄っぺらく見える。

彼らがいれば、こんな営倉でも楽しく過ごせる。

晴はそんな気がしていた。

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