ズルい-蓮井side-
「俺があいつがいーんだよ」
こんな時なのに、少し笑った司さんの表情は、
闇に溶け込まず、息を呑む位綺麗で、
「悪いな。今日はおまえ送って帰るけど、俺はあいつしか選ばない。あいつしかいらない」
認めないと、
あたしが、壊れる。
「…ズルい」
もう、本当に、やだ。
確かな言葉はくれないのに、確かな拒否を突きつける。
こんなの、
いい加減、あたしだって、
受け入れないと馬鹿みたいじゃない。
本当、ズルい。