ボクと天使と青春中
「俺達、付き合うことになったから」

はっ?

プールからあがってから告げられた突然の言葉。

ちょっと待てよ。プールはいってからの少しの間でこんなことになるか?一体、何があったって言うんだよ。

つか、鈴って一斗のことが好きだったのか・・・。一斗も鈴のこと・・・何だよアイツ
気いつかってたのかよ、一言もそんな話し聞いてねえよ。

こんなの、俺・・・。俺は、祝福しないわけいかねえじゃん。

「・・・・」

「・・・ちょっと、一斗こっちにこい!」

夏は一斗をつれて向こうにいってしまった。

「何だよ?」

「何だよじゃねえよ!お前何してんのかわかってんの?!」

「分かってるけど?」

「い~や、お前はわかってねえ!爽太は、友達で鈴はその爽太の好きな奴だぞ?!
なのに、何で・・・。」

「それは一番、素直にならない爽太が悪いんじゃねえの?」

「それは・・・。」

「何やってんだよ!夏も一斗もこっち来いよ!!」

「えっ・・・。あ、あぁ」

夏は動揺したように答えた。

「いや~、よかったじゃん!一斗、鈴のこと好きだったんだな!!全然、気づかなかったは・・・。鈴も、おめでとう。」

(あっ・・・。)

「一斗も大変だな(笑)」

(分かっちゃた・・・。)

「うん!でも、お前らお似合いじゃん!!」

(爽太にとって、アタシってその程度なんだ・・・。)

「ホント、おめでとう!鈴!!」

「うん。ありがとう」

何が、おめでとうだ。何が、お似合いだ。そんな事、これっぽっちも思ってねえくせに。
ほんと、ダメダメだな俺。

この、突きつけられるような現実から僕は一歩でも逃げ出したくてこの時は必死だった。
タダ、逃げることだけを考えていた僕。

そもそも、これが大きな間違いだとも気づかずに・・・。

なのに、僕は今もまた逃げそうとしている。逃げたって、現実という壁を避けることなんてできないのに。

僕は、世界一のバカだ。
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