好きのその先・・
彼氏の名前はたしか、
成瀬旬(なるせ しゅん)。
中学の時から付き合っていて
ラブラブでちょっとうらやましい。

――――――屋上。

「何なにー?隣の男の子と仲良さげ
だったじゃーん?」

柚がニヤニヤしながら聞いてくる。

「それはその・・・」

「言ってみな?」

「あのね・・・」

今日あった事全部話した。

朝、偶然流唯君と出会った事。
可愛いとか友達な!とか
言われた事。
自転車の後ろにのっけてくれた事。
男の子の名前を初めて呼び捨てで
呼んだこと。
ちょっぴりドキドキした事。

「――――とゆう訳なの。」

「ふーん。」

「その流唯君っていう子の
名字って葵?」

「うん。知ってるの?」

「旬の隣にいつもいるから。」

「あっ!!!知ってる。」

「髪の毛染めてたから
わかんなかったんじゃない?」

「そうかも!」

中学の時は栗色だったのに、
今日出会った流唯君は
ミルクティー色だった。

「でもさ、可愛いとか言ってきたり
自転車の後ろ乗せてのっけてくれたり
普通じゃしないよ?」

「でも、あたしなんか・・・」

「あー!もうっ!!!瑠愛のそーゆー所
嫌いっ!!!」

久しぶりに柚に怒られた。
また、ポカっと殴られた。

「じゃ、じゃあ!ちゃんと
気持ち伝えてくる!」

「それでこそ瑠愛!行ってきな!!!」

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