ノストラダムスは女子高生





外の嵐は止み
だがしんしんと、雪は降る


マンション前の道も白く埋まり
夜だというのに何だか明るい




「 ……送るっていうから
車で帰るのかと思ってたのに… 」



「 俺 車ないぞ?
晴れてたら、
チャリで送ってやれたんだけどな 」



「 チャリ?!
前、車で送るとか言ってなかった?! 」



「 チャリだって車だろうが
タイヤ、ついてるだろ 」



「 …何か、カッコ悪… 」



「 大人に幻想を持つな

おまえの期待を押し付けられても困るぞ 」



「 …だって…

来たばっかりの頃、携帯
車で写したみたいな待ち受けだった… 」



「 ―― よく覚えてんなあ おまえ

俺自身、今の今まで忘れてたわ 」



「 …カノジョでもない奴は
乗せたくないとか? 」



「 ホントに今は、車ねえんだよ
事故って潰したからな 」



「 ―― 事故って… いつ?! 」



リルカの眼が見開く









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