彼女には言えない。







「あぁ…そうだな」




なんて答えていいか分からずなんとなく返事をする。




「早いよな…もう卒業かよ。つい最近、入学したばっかなのによう」




竜希はそう言ってため息をついた。






「でも、それってそれだけ楽しかったって事だろ?」





―――シュッ…




丸つけをしながら俺がそう言うと、頭の上から竜希の嬉しそうな声がした。





「そーだなっ!」




ふと竜希に目をやると、
白い歯を見せて笑っていた。










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