彼女には言えない。




正直危なかった。


危うく「好きだ」なんて
言ってしまいそうだった。




必死でブレーキをかけて
溢れてしまいそうな想いを
両手いっぱいの「好き」を
心に閉じ込める。




抑えて。
伝えてはいけない。

堪えて。
口にしてはいけない。




「はぁ…」



大丈夫。
この気持ちを隠し扉に
押し込めたなら
更に鍵をかけてしまえば
いいだけのこと。




それだけのことなんだよ。







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