桜、咲く頃会いましょう。
第九夜 新しい夜の光
【桜子】


平和で暖かな日が続いたそんなある日の昼下がり



平助くんが新入隊士の募集のため近藤さん達よりも一足早く江戸へ下った



「気をつけてね平助くん」

「あぁ、お前こそ土方さんと喧嘩するなよ?」

「あ…うん」



この間の出来事は幹部たちの間で有名になってしまった




あの土方さんがヤキモチを妬いたという理由で



「お前は…余計なこと言ってないでとっとと行け」

「おー怖…こんなときまで眉間に皺寄せてんなよな」



おどけるような声で言ったあとじゃあなと私の頭をポンポンとして屯所を出ていった




「桜子の阿呆」

「なっ…わ!!」



土方さんは私の頭をわしゃわしゃして戻っていった


平助くんが触ったところ…



そんな土方さんの仕草に胸がきゅうとなった


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